
ブログやWebサイトを売却したいと考えたとき、最初にぶつかりやすいのが「いくらで売れるのか」という問題です。
買い手から見れば将来の収益が重要ですが、売り手としては、いまの利益が小さい場合でも売却できるのか、雑記と特化で評価が変わるのか、どんな準備をすれば相場より不利になりにくいのかが気になるところです。
この記事では、サイトM&Aにおけるm&a相場の基本式と、2025-2026年の成約データに基づく現実的な目安を整理します。
判断の軸が明確になることで、相場観を持って交渉しやすくなり、納得感のある売却につながる可能性があります。
m&a相場は「月間利益×12〜24ヶ月分」が目安です

サイトM&Aにおけるm&a相場は、業界標準の考え方として「月間営業利益 × 12〜24ヶ月分」で算出されることが多いです。[1][2]
たとえば月5万円の利益であれば、60〜120万円が一つの目安になります。
ただし、これはあくまで基準であり、サイトの成長性、運営リスク、ジャンル、運営体制の引き継ぎやすさなどで上下すると考えられます。
利益が小さくても、PV数や記事数、専門性によって価格がつくケースがある点は、個人ブログの売却では特に重要です。[1][2]
相場がこのレンジに落ち着く背景があります

基本は「将来利益」を短期で回収できるかで決まりやすいです
買い手は、購入後に得られるキャッシュフローで投資回収できるかを見ます。
サイトM&Aでは、事業M&Aよりも運営者依存やアルゴリズム変動などの不確実性が大きいとされ、回収期間が比較的短いレンジ(12〜24ヶ月)に収まりやすいと考えられます。[1][2]
このため、月間利益に一定の倍率を掛ける「マルチプル」の考え方が広く使われています。
2025-2026年の成約データが示す「現実的な倍率」です
ラッコM&Aの成約事例1,050件の分析では、利益水準によって成約価格の傾向が分かれています。[2]
特に「利益1万円以上」のサイトは、平均で17.8ヶ月分で成約したとされています。[2]
これは、一般に言われる18〜24ヶ月のレンジとも整合的で、相場感を持つための実務的な基準になりやすいです。
低利益・赤字でも「PV」「記事」が評価軸になり得ます
利益が小さい、あるいはゼロの場合でも売却が成立するのは、買い手が「改善余地」や「運営資産」を評価するためです。
同じくラッコM&Aの分析では、低利益サイトや利益ゼロ/マイナスのサイトについて、PVや記事数あたりの評価基準が示されています。[2]
収益が出ていない段階でも、コンテンツ資産や検索流入が一定ある場合、買い手が収益化を前提に価格を付ける可能性があります。
特化ブログが評価されやすいのは「再現性」が高いからです
特化ブログは、テーマが明確で、読者ニーズと収益導線が整理されていることが多いです。
そのため買い手から見ると運営方針を引き継ぎやすく、改善施策も打ちやすいと考えられます。
実際に、特化ブログは雑記ブログより高評価になりやすく、利益倍率で23ヶ月、雑記は15ヶ月で、約1.53倍の差が出たという分析もあります。[4]
「誰が買っても伸ばしやすい構造」が価格に反映される可能性があります。
利益別に見るm&a相場の具体例です

例1:月5万円の利益があるサイトの目安です
基本式に当てはめると、月5万円×12〜24ヶ月で60〜120万円が目安です。[1][2]
利益が安定している、運営コストが低い、直近の検索流入が伸びているなどの条件が揃うと、レンジ上側で評価される可能性があります。
一方で、運営者さんの個人スキルに依存している、特定の案件に売上が偏っている場合は、買い手がリスクを見て倍率が下がることもあります。
例2:利益1万円以上のサイトは平均17.8ヶ月分で成約しています
ラッコM&Aの成約1,050件分析では、利益1万円以上のサイトは平均17.8ヶ月分で成約したとされています。[2]
たとえば月3万円の利益なら、17.8ヶ月分で約53.4万円が一つの参考値になります。
「12〜24ヶ月」の幅を、実データで補正して見積もれる点が、この指標の利点です。
例3:低利益(1円〜1万円未満)でも平均19.5万円の成約例があります
低利益サイト(1円〜1万円未満)は、平均成約価格が19.5万円で、成約の85%が24ヶ月分以上だったとされています。[2]
また、同分析では目安としてPV221.9円、記事2,370円といった基準も示されています。[2]
利益が小さい場合、マルチプルだけでなく、PVや記事数などの「資産性」で説明できる材料を揃えることが重要になりやすいです。
例4:利益ゼロ/マイナスでも平均13.9万円で売却可能とされています
利益ゼロ/マイナスのサイトでも、平均成約価格が13.9万円だったというデータがあります。[2]
このゾーンでは、PVや記事の評価がより前面に出やすく、目安としてPV606.3円、記事4,280円が示されています。[2]
赤字でも売れる可能性がある一方、買い手は「なぜ収益化できていないのか」「改善余地は何か」を重視すると考えられます。
運営状況を説明できる資料があると、交渉が進めやすくなるかもしれません。
例5:特化ブログは雑記より高く評価されやすい傾向です
特化ブログは雑記より高評価になりやすく、利益倍率で23ヶ月(特化)と15ヶ月(雑記)という差が示されています。[4]
さらに、特化ブログではPV65円、記事4,620円といった評価の見方も提示されています。[4]
雑記ブログの運営者さんでも、カテゴリーを整理して「実質特化」に近づけることで、評価が改善する可能性があります。
相場を左右しやすいチェックポイントです
記事数50本以上は一つの分岐点になりやすいです
価格影響要因として、記事数が一定以上(例として50本以上)あることが挙げられています。[1][7][10]
記事数が増えるほど、ロングテール流入や内部リンク設計の余地が生まれ、買い手が運営計画を立てやすくなると考えられます。
ただし、量だけでなく品質が伴わない場合は評価が伸びにくい可能性があります。
ドメインや運営リスクは「倍率」に反映されやすいです
ドメインパワー、検索流入の安定性、ペナルティリスク、権利関係(画像・引用・外注契約)などは、買い手の不安材料になりやすいです。
結果として、同じ利益でも倍率が下がる要因になり得ます。
運営がクリーンで引き継ぎやすいことは、相場の上側を狙ううえで重要です。
ジャンルは需要と規制リスクの両面で見られます
人気ジャンルとしてVOD、漫画、芸能、子育てなどが挙げられています。[1][7][10]
需要が強いジャンルは買い手が付きやすい一方、広告単価の変動や規約変更の影響も受けます。
ジャンルの将来性は断定しにくいため、売却資料では「現状の収益構造」「集客チャネル」「主要記事の順位推移」など、事実ベースで示すのが望ましいです。
まとめ
m&a相場(サイトM&A)の基本的な目安は、月間営業利益×12〜24ヶ月分です。[1][2]
2025-2026年の成約データでは、利益1万円以上のサイトは平均17.8ヶ月分で成約したとされています。[2]
また、低利益サイトは平均19.5万円、利益ゼロ/マイナスでも平均13.9万円で成約したという分析があり、PVや記事数が価格の説明材料になり得ます。[2]
さらに、特化ブログは雑記より高評価になりやすく、利益倍率で23ヶ月と15ヶ月の差が示されています。[4]
相場は「利益×倍率」だけでなく、「引き継ぎやすさ」と「改善余地の説明」で動くと整理すると、判断しやすくなります。
納得感のある売却のために、まずは現状の棚卸しから始めるのが現実的です
相場を知ったうえで次に重要なのは、買い手が判断できる材料を揃えることです。
たとえば、直近12ヶ月の収益と費用、主要流入ページ、検索流入比率、外注の有無、権利関係の整理などをまとめるだけでも、交渉の不確実性が下がる可能性があります。
利益が小さい運営者さんでも、PVや記事資産、特化性を説明できれば、売却の選択肢は残りやすいです。
まずは「月間利益」「PV」「記事数」「ジャンルの整理」という基本情報を揃え、複数の観点で価格を試算してみると、次の一手が見えやすくなると考えられます。